JB入鹿池第3戦

こんにちは!

レポートがかなり間が開いてしまい申し訳ありません。時間作っては書いていきますので、よろしくお願いいたします。

さて、年間暫定一位で迎えたJB入鹿池第3戦。今年始まるまでは全く予想もしていなかった順位ですが…むしろ、最終戦は2位か3位で迎えるくらいが一番ベストなんでしょうけど…

今回は、正直言って無茶苦茶苦戦しました。過去にないくらいの大苦戦。プリプラから分かった事は、絶望のみ。

では、どうやったのか?何を考えたのか?を出来る限り詳しく書いてみますね。

プリプラクティス

まず、8月に入ってすぐの8月4~5日にプリプラに入りました。既に真夏となっており、7月15日に開催された第2戦とは湖の状況も激変。水位もガッツリ上がってEL90.4m。

水温は第2戦時で25℃程度だったものが、真昼間で33℃ほど。第2戦時にはあれほど多かった表層のワカサギ当歳魚が居なくなり、魚探に映る生物もほとんど水深8m以深にしか居ないと。。。あれこれ手を尽くしますが、何も起こらないまま二日間を終えました。

その時に得た情報から良く翌週の17~18日に前週プラに挑みますが、こちらも2日間ノーフィッシュ。ただし、18日にようやくではありますが、本当に小さなヒントを得ます。

8月5日に比べると水位も下がり(EL89.2m)、水温も表水温で30℃ちょうど程。週中の雨が少し効いてるようで、水温も落ち着きを取り戻し、ワカサギも4~6mほどにボールで映りました。バスはその下のレンジの6~7mに着いており、少しはヤル気(?)がある模様で、稲荷山ではたまにボイルが起きていました。

もちろん、湖全体を見るのがプラでの仕事ですから、底生生物狙いのバスやワカサギ食いのバスを他のエリアでも丁寧に狙いましたが、ノーバイト。結局、稲荷山沖のボイルフィッシュをどうするのか?がテーマになります。

その小さなヒントというのが、1.3gのジグヘッドのミドストの回収中に起こるバイト。

速く巻いて回収するのですが、水深6mほどのバスがそれを発見して、追いかけてきて、下から突き上げます。そして、元のレンジにすぐ戻るので尻尾だけ一瞬見えると。

灼熱の中、得られた情報はたったこれだけ。

翌週の本番どうするん?俺…

前日プラ

前週プラを終えてその足で池原に向かい、池原ガイドをこなし、週中に前週プラで得られた情報をノートにまとめて、頭の中を整理します。

まず、一つは試合をするにあたって心配なのは「キーパーパターン」と言うものに到達していないという事。一般的には、”ベントスイーター”と呼ばれる「底生生物食い」のバスにその湖のレギュラーサイズが多いのですが、こと入鹿池に関しては、ハゼ類やエビ類がさほど少なくないにも関わらず、それらを食っているバスを釣る事がとても難しく、ココといった場所や釣り方まで到達できませんでした。前日プラで”そんな場所”を探して着実な方法を目指すべきか?

もう一つは、公魚食い、いわゆる”ネクトンイーター”に狙いを定めて、”それを釣る方法”を目指すべきか?

そんな事を考えながら、ボートに積んだタックル類はベイト・スピニング合わせて15本。。。かなりの困りようです。なんせ、全く釣れていないのですから。

とりあえず、一つ言えるのは、通常私がよくやるミドスト(ワカサギ食い狙い)は0.9~1.3gのジグヘッドを使いますが、これを1.8gまで上げてみた。

前日プラはまずは、そんな1段階重めのミドストで4~5mを通すことから手始めにやってみます。

すると、すぐに答えが出ました。

出た。ヘラブナ。ここの鮒はどれだけ肉食なのでしょう?1年通じて、こんなにヘラを釣った事はありません。その他の湖でも、水温下降傾向時に小さいメタルやスピナーベイト(!)でヘラを釣った事はありますけど、真夏は極めて珍しいですね。って、喜んでる場合ではありません。

そして、再び灼熱の”無”の時間が続きます…時間がどれくらい経っただろう?再びジグヘッドの改修中にバスのバイト!

しかし乗らず。。。う~ん。

矛盾する状況をどう打破するのか?

気分転換に、他の場所も周り、ネコリグ、4インチグラブのライトキャロ、テキサスリグ、ディープクランクなどありとあらゆる物を試すも、何も起きませんでした。

そして、再びワカサギイーターのバスの釣り方を研究すべく、ミドストからライトキャロの中層スイミングに変えて、ありとあらゆるネタを試します。試したのは、ワーム類30種類以上、小型クランクベイト(キャロで使います)、スパイベイト(DEXのスパイベイト)、キャロi字引き、ジグなどなどありとあらゆる手を使いました。もちろん、ホローベリーなどの表層トゥイッチやクローラーベイトなどの表層系も試しますが反応無し。

その結果、ライブスコープに映るバスの反応から分かったことは、以下の事。

1.i字系の遅い動きには全く反応しない。

2.表層で起きるボイルバスは表層系にほとんどとどまらず、高速で6~7mに帰って行く。下からの突き上げのため、ジグヘッド回収中に起こる突き上げバイトは乗らない(フックポイントが上側にあるため)。もしくはボイルが起きてからのキャストでは間に合わない。ジグヘッドの1.8gでもバスの潜水速度には追い付かない。

3.クルーズ系のバスしかアクティブでは無いため、ニュートラルバスを表層に呼ぶことは出来ない。また、それらは”お迎え”に行っても一切ヤル気が無い。もしくは単独で居るヘラブナか?

4.ミドストでは見切られてしまう。

5.3~4mくらいでキャロなどの高速トゥイッチ(ダート)で反応してコールアップ出来る。

6.ポーズの間が少しでも長いと食わずに戻って行く。

7.ポーズ時にワームのレンジが少しでも下向きに移動してしまうとダメ。つまりは、ポーズ時に0.5秒ほどの間ではあるが、同じレンジをキープしていないとダメ。

8.ピーカン無風時はボートから距離が無いと逃げていく、もしくはボート下の陰にバスが入ってしまう。

9.ワカサギ当歳魚のサイズがまだ1インチ~2インチと小さく、このサイズ感にマッチングしてないと反応しない。

これらの中で特に6~8はどうにも困りました。

結局大量に用意したタックルの中でそれを実現できそうなリグは無く…

前日プラから上がってとりあえず出来た完成形

公式プラは16時までしか出来ないので、湖上で試すには時間が無く、陸に上がってからアレやコレやと考えます。

まず、高速トゥイッチ。あと、サイズ感的にもマッチングするネタは見つかりました。そして、それをセットする時はこれまた幸運なことにフックは下向きです。

次に対処したのは、飛距離。プラ時にはシンカー3.5gでライトキャロを作りましたが、これだと高速トゥイッチ中にリグが暴れすぎるようです。それと、一瞬のポーズでも沈降してしまう。よって2.5gまでウェイトを下げる訳ですが、そうすると今度は飛距離が飛ばない。

悩んだ結果、自分で「激しいアクションするリグに使う事はバッサリ捨てた」と言いきって作ったHornet Stinger Plus HSPS-6111UL+ “iPM-SP”を使ってみる事にしました。まさか、アクションを必要とする釣りに使う事になろうとは…

あとはリーダーを1.2mから2mに伸ばして、水中でのダートの後のポーズ時に少しでも同じレンジにワームがとどまってくれるようにしてみました。シンカーストッパーはスイベルから30cmほど距離を取って、少しでも「リグが浮いた時間」を稼ぐようにしてみます。しかし、非常に投げにくそう(なんせ、湖上で試してすらいないので、想像だけ)ですが、幸い6111は6ft11インチと非常に長いので何とかなるんじゃないか?と期待しました(笑)

矛盾を制するには矛盾で対抗するしかない?!

ラインはバニッシュ・レボリューションの3ポンド。沖のワカサギ食いのバスはそれなりのサイズは確定しているので、ちょっと太目なのもありますが、太くすることによって、沈降を抑えられるという利点もあります。

ま、何にしても僅かなヒントを元に作って、まだ試しさえしていないタックルバランスが完成しました(笑)

本番当日

JB入鹿池第3戦はマルチブックCUP。TOP50の佐々プロなんかでご存知の方も多いかと思いますが、IT企業さんです。

この試合まで、一応年間暫定1位ではありますが、そんなことは微塵も意識する余裕などなく、「この試合をいかに1本釣って来るか?」しか考えていませんでした。

何にしてもプリプラから含めて4回連続ノーフィッシュ、そして試してすらいないリグで不安以外何物も無い状況で朝を迎えます。ただし、心に決めていたのは「10:30までは、ワカサギ食いのバスを狙う」ということです。スタート順はどうでもエエなと思ってました。というかそんな事を気にする余裕すら無かったというのが正直なところですが…

朝に訪れた小さなヒント

スタート順はカード通り23番。遅いんですけど、小さなスポットで釣りする訳では無いし、全く気にならず、とりあえず稲荷山の沖に向かいます。千載一遇のチャンスに賭けるしかありません。恐らくチャンスなどあって一度か二度。陽が高くなったら終了です。。。

早速、前日作った“iPM-SP”のロングリーダーライトキャロを使ってみます。

あれ、意外に飛ぶ。そして、少しカウントダウンして適当な水深までリグが沈んだら、チャッチャッチャッというリズムでトゥイッチを刻んで、一瞬のポーズを取ります。

「あれ、意外に何とかなるな」と思った数投目、ポーズの後に重みが乗って「?」と疑いながら合わせてみると何かに擦れた感触と同時に軽くなります。「???」と思って回収してみると、フックとワームが無い。。。

しまったぁ~~~!!!!やらかした!

そうです、恐らくバイト。それも千載一遇の。。。恐らく、ポーズ時のラインが弛んでいる間に思い切り吸い込まれたのでしょう。バスさんごめんなさい!なんともバッドラック!

うーん、前回のロケットといい、入鹿池は必ず何か起こるなぁ。。。

しかしながら、「逆に考えれば、今までバイトに持ち込められなかったのよりバスに近づいた訳だし、リグと釣り方が一応マッチングしてるのかも」と思い直すことが出来ました。

これが後に繋がるという確証は全くありませんでしたが…「死」と隣り合わせの時間は続きます。

そして…

9:30。

魚探にアクティブなバスの群れが入って来る画像が映ります。少し沖目に移動して、ライトキャロをロングキャスト!

2回トゥイッチして止め、次動かした瞬間に

ゴンッ!!!

遂に来た!意地でも取り込んだるで~!とゴリゴリ巻きます。こういう時のためにハイギヤのMGXtreme 2500SHにしておいて良かった!そして、ラインも2.5ポンドから3ポンドに変えておいて良かった!

ロッドが長いため、少しネットに入れるのに苦労しましたが、ネットインした瞬間にフックが外れました(汗;

まぁ、ダート中の不安定な姿勢のリグを食うので、「バスの口の中のどこに掛かるか?」は運ですからねぇ。

久しぶりに茫然として、手足の震えが止まりませんでしたよ。長い道のりで至ったバス。

この後はチャンスも無く終了。結果、1520gで7位でしたが、今回はノーフィッシュも覚悟していたので、釣って帰って来れただけでも満足です!

JB入鹿池第3戦マルチブックCUPの優勝は、スーパーロコの山田プロ。3位の平野プロ、吉原プロ、6位の杉山プロはエリア的にほとんど同じ。回遊バスだけに、サイズは運次第ではありますが、私を含めて”沖ギャンブル”に成功した組です。優勝の山田プロはさすがにスーパーロコらしく、別のスポットで全く違うバスを釣って来てました。皆さん、おめでとうございます!

活躍した小物たち

今戦では、タックルセッティングに腐心しましたが、他にも真夏の暑い試合を乗り切るために様々な小物たちが活躍してくれましたよ。

フック

特に、リグに関しては、一昨年、小森嗣彦プロから貰ったプロトのフックが上手く機能してくれました。プロトのため、詳しくは書けませんが、長年ホローベリーの高速トゥイッチで感じた必要な機能をフックに詰め込んであります。今回もフッキングの確率を上げてくれたのはそれのおかげでもありますね。

偏光レンズ

そして、前回同様ZPIの偏光レンズ”エアエピック”。

「水中戦をやってるのに、ナゼ偏光グラスが役に立ったの?」と思われるかもしれませんが、基本的にベイトフィッシュを水面に追い込もうとしているバスは、水面が波立っていない場所で行動を起こします。実際に波が立ってるところでボイル起きてるのってバスの場合見た事ほとんど無いでしょう?ソルトだとありますけど、バスではほとんどありません。

恐らく、ベイトボールが落とす影が永続的になるので、水面が平和なところを選ぶのかと思いますが、今回もそれに則って、他に比べて湖面が”平和”そうなところ選んで細かくボートを移動しました。そして、結果、そいうところにアクティブな回遊バスが周って来て、バスをキャッチするに至った訳です。

あとね、これは掛けていても軽くて疲れないですね。ノーズパッドを真夏に長時間押されるとアタマ痛くなっちゃったりするんですけど、掛けてて気にならないのは集中力を切らさないためにも結構大事な要素だと思います!

O2パワー

真夏の試合は、釣るだけではいけません。もちろん、活かして元気に帰ってもらってこそ試合です。そこで、いつも書いているのですが、MEIHOさんのO2パワー。これは欠かせません。

水の中に溶け込むことが出来る酸素の限界量のことを飽和溶存酸素量と言いますが、0℃の水(氷になる寸前ですね)に対して、30℃の水はおよそ半分の酸素しか溶け込むことが出来ません。溶け込める限界量でそれですから、なおのこと少ないのは容易に想像できるはずです。

バスが高水温時にあまり表層近くに常駐しないのは、水温もさることながら、酸素量が少なく、運動量の多いバスにとっては生活しにくい環境だからかと思われます。

ライブウェルポンプで吸い込む水は、当然ながら深層水ではなく表層近くの水ですので、当然酸素は少な目。そんな時に、化学反応で酸素を供給してくれるO2パワーは頼れるアイテムだという事です。ちなみに「泡が出ない」とよく言われますが、泡は「水に溶けることが出来なかった気体」なので見える必要はありません。

真夏はライブウェルの水温がさらに上がりますので、たまにクーラーボックスから保冷剤をライブウェルに放り込んで水を冷やします。水温下げると飽和溶存酸素量が増えますし、バスの代謝が落ちるので、消費する酸素量も減り、バスが落ち着きます。

ウェイイン時は少しずつ水温がウェイインバッグの中で上がりますので、リリース時は元気にもとの状態で帰ってくれます。

一錠、およそ500円ほどしますが、バスの命に比べれば安い物でしょう。

リチビー

防水カバーを被せてありますが、今回も頑張ってくれました!

二日間ともピーカンの暑い日でしたが、元気にエレキを動かしてくれました。非常に頼りになるヤツです。フロント魚探は、前に置いてある緑色の12V/20Aのリチビーが電源供給してくれてます。

充電もボート屋さんに戻って1時間以内の完了します。翌日のリグを作っている間に充電完了。もう、本番の朝に充電未完了でドキドキする時代ではありません!

関東のレンタルフィールドや、入鹿池、津風呂湖、東条湖、生野銀山湖などにはまさにピッタリなんじゃないかと思います。お値段は張りますが、買って使ってみたらそれ以上のメリットの恩恵を受けるでしょう!

まとめ

長くなりました、とりあえず「乗り切った」というのが率直な感想です。

年間順位は今回優勝の山田プロと入れ替わって3ポイント差の2位になりましたが、かえってそっちの方が良かったなと安どしております。追う方が自分には向いてますので(汗;

何にせよ、入鹿池はいろいろと学ばせてくれるのでとても楽しいです。プラは毎回めっちゃくちゃ苦しいですけどね。ドMですね(笑)

最終戦も楽しみますよ~!

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