こんにちは!
少し遅くなりましたが、自身の主戦場であるマスターズのレポートを掲載します。
TOP50とは違いますが、私が試合中に何を考え、何を感じたのかを事細かく書いておきます。読者の中には、「何でそうしたの?」「どう考えたの?」と思っている方も居るかと思いますので、ご参考に。
読みたいところをどうぞ
マスターズとはどんなカテゴリなのか?
簡単に言うと、TOP50に次ぐ2番目の全国トレイルのカテゴリです。
アマチュアのNBCチャプターからマスターズまでのルートは、まずNBCチャプター(どこでも良い)に1年間フル参戦し、チャプター会長面接を得て、ローカルJBに昇格します。
ローカルJBで1年参戦し、マスターズへの昇格が出来ます。
いろんな人種
このカテゴリほどいろんな”種類”の人が出てるカテゴリは無いでしょう。TOP50というトップカテゴリはいろんな物を背負って、究極の勝負に人生を掛ける(賭ける)人の集まりです。こちらは、ピュアフィッシングさんのTOP50観戦記でも記載していますが、刺激的な言葉で言えば、「殺し合い」ですわ。しかしながら、それはそれでキチンと距離感がある「ボクシング」として成立しています。
では、マスターズはというと、TOP50のボクシングに対する例えならば「初心者の空手の試合」的な感じ。
参加人数も多いし、フィールドは霞ヶ浦以外は狭いし、毎年ほぼ同じ時期に同じフィールドで開催される上、「いろんな意味の選手」が参加してます。
釣りが好きな人(趣味で出てる人)、勝負事が好きな人、ローカルJBから上がりたての人、TOP50を目指して一生懸命やってる人(もしくはTOP50帰り咲きを目指す人)、メーカーにお勤めの人、などなど。ガイドさん以外で専業でやってる人は少ないので、言わば「キング オブ サラリーマンプロ」を決めるカテゴリと言えるかもしれません。その辺が、専業が多いTOP50とは違うところなのかもしれません。
スポットに対するボートのポジショニング(そのスポットの理解度が分かる)なんかは所謂”Mr.マスターズ”と呼ばれるようなベテラン(TOP50に昇格する権利を持ちながら上がらない選手など)以外は、あやふやな感じを受けることもあります。
TOP50であれば、1週間かけてみっちりプラをして、一つ一つのスポットに対する”研究”がなされているので、バスの季節感や、風や流れ、陽の角度や水の状態からどういったアプローチをするかを決めますが、マスターズではそこまで詰めてる人は少ないので、そうなるのも仕方ないのかもしれません。
また、狭いフィールドに大人数のため、一度スポットから抜けると戻ってこれなくなる場合も多く、「タコ粘り系」の人が増える傾向にあります。
ルール
直前の公式プラは1日です。TOP50は2日ありますが、マスターズ戦はほぼフィールドが狭いので1日で十分とも言えます。
TOP50のように総重量制では無く、ポイント制です。順位ポイントしか付きません。単日の順位で1位120pts、2位119ptsと付いていきます。二日目の順位ポイントとの合計で勝負が決まります。
それ故に、初日にノーフィッシュを喰らうとダメージが大きく、なかなか取り戻すことが出来ないカテゴリです。
プリプラ
プリプラは前週の2日間入りました。今年は例年より開催が1週間ほど遅く、プリプラの時点からかなり暖かい日が続きました。
水温も8℃台と、いつもの年の「ヤル気無くす水温」ではなく、シャローにもグッドサイズのバスが毎日確認出来るくらい。
ただ、湖をぐるっと回ってみた感じだと、やはり「例年通り厳しいのではないかな」という感じを受けました。ワカサギは大量に居るのですが、どうもいまいちバスとリンクしている感じを受けない。
水温は11mでも7.0℃もあるので、ディープのバスも動いているかと思い、いろいろ試しましたが、ディープはほぼ皆無。やはり、例年通り、ミドル~シャローのバスをやるしかないのかと考え帰路につきました。
富士山の写真をアップしてる人は「釣れてない人だ」と言われますが、自分もまさにその通り(笑)
公式プラ
22日の木曜日に現地入りしましたが、前日水曜日が大雪。
雪の重みでジャベリンのスクリーンが損傷。しかも、この割れた部分に29年度の河口湖の航行届のステッカーが貼ってあるので、直さない訳にも行かず…今年はいろいろと呪われてます…
見つけてしまったシラウオ
3月のマスターズと言えば、2013年にバカみたいなウェイトを持ってきたのを思い出す人も居るかもしれませんが、あれはシラウオに頼ったエリア選択でした。
翌年2014年も何とか1本持ち込んだのですが、こちらも白須でシラウオが沖目に居るのを発見したおかげ。2015年はマスターズは欠場しましたが、2016年も薄いながらも沖目のシラウオを発見し、1本ウェイインしました。
しかしながら、年々シラウオが減っているなと感じつつ、昨年のマスターズ戦はそのまま引きずってしまい、ついに二日間ノーフィッシュ。
「今年はシラウオを完全に切り離して考える」ことを念頭に置いてプラをしていたにも関わらず、何故か見つかっちゃうんですよね…
エリア的には、黒岩ワンド最奥、白須、信号下。いずれもディープが隣接するバンクです。ま、この時期はディープ隣接は当たり前なんですけど、公魚に着くバスを狙うのはセオリー過ぎて、どうにもオリジナリティを感じないので、やはりシラウオを狙っている数少ないバスに照準を定めることに。さらに悪いことに(?)黒岩ワンドの奥ではバイトもあり…
あとは、ハワイ近くの川の河口にはアクティブに動くバスが見え、陽が昇ればこういうバスも増えるのかなと。
リーフマスター活用法
最近はクイックドローなど、本体で等深線(コンター)を生成してくれる魚探が増えました。私はロランスを使っていることもあり、今のところ本体自体にこういう機能はありませんのでリーフマスターを使って等深線マップを作っています。
しかしながら、これにはメリットもあります。
私は常に「魚探画面録画」をして、必ずデータを取り続けています。もちろん、地形を生成するためにデータを録っているのもありますが、それと同時にソナービュアーによってどこで何が映ったのかも湖上以外で確認できます。
ワカサギ
このような感じで、湖のいたるところでディープ~シャローまで公魚が映ります。が、シャローと言ってもかなり沖目の浅いところで、バンクなどの浅いところには乗っていません。逆にどこにでも居すぎて、それほど公魚とバスがリンクしていない印象でした。
シラウオ
ダウンスキャンの画面ですが、シラウオはこのように映ります。真ん中あたりのニョロニョロしたヤツです。
信号下近辺にも少ないながら居ましたね。こちらは少し浅い。
こんな感じでワカサギとシラウオでは映り方が違いますが、シラウオはワザとらしいくらいニョロニョロした映りになります。これ映るところで、たまに下にフィッシュイーターが付くとレンジが上がって実物を表層で見ることがあります。
このような感じで、どこで何が映ったか?を宿泊先で改めて確認してノートに書き留めておきました。
初日は黒岩ワンドと白須を中心に、ディープと隣接するバンクである鵜の島南西(さかなやさん側・ディープとシャローが隣接しているため)、鵜の島東、信号下~漕艇場、バスの見えた白鳥ボートさん近辺のバンクとハワイ、後はウィードが6mのボトムで比較的高さを保って残っている湖波ボートさん前も気になるので寄れたら寄るプランにしました(ただし、行っても無駄だったかとは思いますが…)
DAY1
今年もいよいよプロ戦が始まりました。フライトは1番フライトの一番最後。
スタートコール後、黒岩ワンド最奥に向かいます。晴れてベタ凪。これはイケるのではないかと思い、ミドストを少し沖目(4mの深さがあります)で始めます。
すると、しばらくして、表層にシラウオ(これがまた数匹の小さいスクール)がワッと沸いて「下に何か着いた」と思い、ミドストをその近辺へ投入。するとすぐにバイト!
が、しかし引きが明らかにおかしい…上がって来たのは案の定ニゴイ。30cmくらいの手頃サイズ(笑)
前日プラのバイトはニゴイだったのか??その後、何も起こらないので、移動します。
白須のバンクも特に何も起こらず、ひたすらミドスト出来るバンクを求めて移動しますが、どこも反応がありません。相変わらず信号下の矢板前は船団になってましたが…
ハワイ近辺のバスもどうやら釣られてしまったようで、行った時には何も見えず。。。
いろいろ足掻いてはみたものの、結局ニゴイ1本で初日を終えてしまいました…
初日の結果からシラウオと決別
ウェイインされているのはやはり、大きいメスばかり。まだオスが動いていないのは明白でしたね。
オスが居ないということは、まだバスの供給量も少なく、DAY2にオスが動かなければDAY1よりは釣果は下がるだろうと読みました。
また、昨年のノーフィッシュを思い起こし、ここ1~2年でシラウオに着くバスがほぼ無い、つまりはメインベイトがシラウオではなくなったということで、シラウオと決別することにしました。オリジナリティのあるバスよりも「泥臭く1本釣って来ないとヤバイ」と考えたためです。やはり、定番はワカサギなんですよね。
呪いは続きます
ボート上げてから、エレキのブラシカードを交換。ついでにペダルのワイヤーがたまに緩んで外れるので、何気にペダルをリセスから外して裏返してみると…
ほぼ切れてますやん。これ、ZPIのベアリングプーリー入ってたから何とか持ちこたえてたんちゃいますのん?
という訳で、ステアリングワイヤーをさざなみさんのボートメカニックの功刀君に手配してもらい、自分で修理。日が暮れるまでかかりましたよ。。。しかし、DAY2のために出来ることは全てやる!
ただこの作業はある意味良かったのかもしれません。初日釣れなかったことにより「今年1年がもう終わるのか?」という恐怖と「明日こそは釣ってやる」といういかにも空回りしそうな気持が作業に集中することによって適度に疲れて、夜は何も考えずによく眠れました。
DAY2
まさかのストレージ凍結
朝っぱらからトラブルは続きます(笑)
スクリーンが割れて補修したてだったため、ボートカバーを被せずに駐艇場に置いていたのですが、強い冷え込みにより、朝5時にボートに行ってみるとデッキの上は霜で真っ白け。
オマケにシンカーやルアーなどを入れたストレージの蓋が凍り付いて開きません…バッテリーストレージは何とかこじ明けましたが、結局シンカーの類は出すことが出来ずに隣のマリーナの長友プロから借りるという事態に。
早めに降ろして、陽の当たるスロープで船を温めてみましたが、そのおかげかタックルチェック時には何とかストレージが開くようになりました。
ツキはまだある?!
スタートコール時、まさかのフライト1番(笑)
「まだツキは残っている」と思い、信号下の一角に突入します。前日に見ている感じだと、矢板前が一番船団が濃かったので、そこから少し離れた場所です。
前日の観察が活きた?
実はこの信号下の一角ですが、前日に船団が出来ていた場所の中で、何度前を通って見ても「ちょっと薄い(船が少ない)な」と感じていた場所です。
前日にウェイインされたバスを見ると、どれもメス。つまりは”新しいバスの供給自体は少ないのではないか”と考えました。少しズレた場所でディープとバンクが隣接していて、それなりにブレイクの角度があって、ゴロゴロした大きめの岩(石)があるカドです。そこにメスが残っているのではないかと。信号下はあまり漕艇場側に行くとバンクの角度が浅くなってくるのですが、その角度が浅くならずに急深を保っている場所です。
「初日に入れそうだと感じたのに、何故入らなかったのか?」という疑問を持たれるかもしれませんが、この時期もやはり日中よりバイトが出るのは朝か夕方が多いからです。それなら、前日の”中途半端な時間”に入るよりは朝入る事が出来ればそちらの方がチャンスがあるなと考えました。
タックルバランスの変更
前日夕方、エレキの修理でヘロヘロだったにも関わらず、1タックルだけバニッシュ・レボリューションの太さを変更しました。
通常、ミドストの場合は6~7mまで深いところをやる場合の操作性を考慮して2.5ポンドを使うのですが、初日にミドスト中心でノーバイトだった事を踏まえて「ミドストではまだ横のスピードが速いのかもしれない」と考えました。そこで、二日目はダウンショットでさらにスローダウンすることにしたのですが、釣れてくるバスのサイズを考えて2.5ポンドから、3ポンドに変更。ちなみに、ロッドはミドストもダウンショットも同じFantasista STUDIOUS FNS-60XULSⅡを使っているので、ラインの太さを2.5か3に決める必要がありました。この時、ミドストとも決別することにしたんですね。
結果、この選択がバスに繋がります。
ロッド:Abu Fantasista STUDIOUS FNS-60XULSⅡ
ライン:Berkley VANISH Revolution 3lbs
フック:マス針(#6)
ダウンショットシンカー:1.8g
即答でした
長友プロに貰った焼結タングステンシンカー(1.8g)でバンクと岩を7~8mのバンクのエンドまで超スローに舐めながら落として行きます。特にシェイクはせず、ひたすら秒速1cmくらいの気持ちで動かします。
Fantasista STUDIOUS FNS-60XULSⅡの”張りの強さ”により、ボトムの質感が手に取るように分かります。
ちなみに、ネタはZ-Factoryさんの豚ウナギのカットしたもの。カラーはスモーク。一応ワカサギっぽいかなというのがカラーセレクトの理由。ちなみに、シラウオパターンのミドスト(ボトスト)の場合は水色っぽい(シラウオカラー?)を使います。
リーダーの長さは、バンク沿いを落としてくるのでそれほど長くなくても良いと考え、12~3cmくらいでしょうか。
兎に角ひたすらスローにズル引きます。
しばらくして、岩をショリショリと越えている時に、明らかにボトムと違うツ・ツンというバスっぽくない小さいアタリが来ました。
とりあえず、ちょっとだけティップを張って聞いてみた所、ノッてるようなのでロングストロークのアワセをくれてやりました。
上がって来たのは、1660gのラグビーボールみたいな形をしたメス。口先ではありましたが、マス針はしっかり貫通してくれていました。MGXtremeのドラグも非常に良い仕事をしてくれました。3ポンドにしておいてよかった!
この後同じ場所ではやはりバイトは無く、晴れだったことも踏まえてオスが動き出すことに期待しながら各所を周りましたが、風のためか結局オスはほとんど動かず、この1本で終了となりました。
二日目単日9位、総合で18位となりました。
リザルト
優勝した林プロはさすがでした。信号下の矢板前の船団(一番船が多いところ)で、唯一”深ミドスト”(ボトスト)をしていたようで、周りの選手を見て釣り方の違いから差別化できると考え、二日目にバスを残していたようです。
気にはなったものの、一番やりたくない(苦手)ウィードの釣りになるという理由で二日間行かなかった浅川の残りウィード帯で釣ってきたのが4位の山村プロ。自分が行ってたら釣ってたのかと考えると多分釣れてなかったでしょうね。6mまでウィードが残っており、グリマーをウィードトップに引っかけて釣るなんて結構な高等テクですよ。僕には出来ません(汗;
二日間ともに釣ってきたのは上位の2名のみ。初日116人出場して18名のウェイイン。二日目は117人で14名のウェイイン。
これだけ見ると、例年の河口湖よりは”ちょっとだけ”釣れてるようには見えますが、やはりいつもの3月という感じを受けました。水温は高いので、もう少し多いかとも思いましたが。
河口湖のバス
河口湖のバスと言うと、放流バスと「ネイティブ」と呼ばれる2種類(?)が居ます。
一般的には放流バスの方が釣るのは簡単なようですが、それに対して難しいと言われるのがネイティブです。
しかしながら、私自身がいつも感じるのは、河口湖のネイティブは他の湖以上に「セオリー通りの動き」をしてるなと思います。上手く言えませんが、「バスらしい行動」というか「世間一般で言われている通りのシーズナルパターン」というか。。。
3月のマスターズで釣って来る選手の顔ぶれって、毎年ほぼ同じようなメンバーな気がしますが、やはりバスの行動をよく理解しているからなのではないでしょうか。
皆さんも河口湖に釣りに来たら、ぜひネイティブに挑戦してみてください!
まとめ
今回はいろいろありすぎましたが、一言で言うと「釣れてよかった」ってとこです。
この1本を釣るためにトラブルに対処してベストを尽くした結果だと思います。
もちろん、初日に釣れなかった時点で勝ちは無くなった訳ですが、それで目を覚まして泥臭く行けた訳ですし、年間レースに残ることも出来ました。更に10月に河口湖で開催されるバスプロ選手権の出場資格も獲得出来ました。年間4戦だったプロ戦が5戦に増えた訳です。これはありがたい。
しかし、レギュラーシーズンの試合は4試合でA.O.Yが決まるので、どの試合も”山場”になります。集中力を切らさないようにしなければいけません。次戦は4月21~22日に地元の三瀬谷ダムで開催されますが、地元ゆえの妙なやりにくさも感じつつ、プラに打ち込みたいと思います。応援よろしくお願いいたします。