こんばんは。
いや、負けた試合のレポートを書くというのは実に心苦しいものです。そもそも今回の試合、「負けた」と言うことさえ憚られるように思います。プロとして応援してくださる皆様やサポートしてくれているメーカーさんに本当に申し訳なく思います。
が、このブログでは私自身のリアルを伝えなければなりません。なので、一見無駄にも思えるレポートかもしれませんが、アングラーの皆さんの何かお役に立てればと思います。
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バスプロ選手権とは?
さて、このバスプロ選手権が開催された10月29日と30日。茨城県で開催されていたバサー・オールスター・クラッシックと日程が重なっていたため、完全に裏番組的な存在となってしまいましたが、この「バスプロ選手権」とは何ぞや?ということでご説明申し上げます。
出場資格:
TOP50シリーズを除く、JB戦(マスターズ、ローカルシリーズ)の毎戦上位20%に出場資格が与えられます。年間ではなく、1戦ごとの上位20%ということです。私の場合、今年のマスターズ第1戦が13位でしたので、そこで出場資格を獲得しました。
開催場所:
東は河口湖、西は生野銀山湖で同日開催となります。マスターズで出場資格を得た選手は東西どちらかを選択出来ます。ローカルJB選手の場合は、年末までの登録時に「出場権を獲得した場合、どちらに出場するか?」をあらかじめ選択する必要があります。マスターズ選手以外はどちらに出場するかを変更することは出来ません。
大会フォーマット:
マスターズ戦同様の2DAYのポイント制の試合となります。つまり、「初日の順位ポイント」+「二日目の順位ポイント」で総合順位が決まります。
なお、シリーズ戦ではないため、とにかく「勝つこと」以外に目指すものはありません。
初日のウェイインは14:00、二日目のウェイインは13:00となります(第2フライトはそれぞれ10分遅れの帰着時間)
前乗り
試合の前日が公式練習日なのですが、それのさらに1日前に現地入りして直前プラ前に準備をすることを、通称「前乗り」(まえのり)と言います。恐らく、「前に乗り込む」というところから来てるんでしょうけど。
今回は気合入れて、”前乗り”してみました。何せ、今年最後のプロ戦ということ、前のTOP50戦でショボい結果に終わってしまった事があり、気合が入ってました。
写真の通り、河口湖はとても穏やかでイイ天気。
河口湖の試合ではいつもお世話になっている「財津商店」さんで物資を調達します。ご存知の方も多いとは思いますが、河口湖ではワームの使用が禁止されています。したがって、豚を主原料とした「ポークルアー(ポークワーム)」が通常のワームの代替品になるのですが、これもカットの仕方や使い方で釣果が変わってきます。販売されているポークルアーもシェイプやカラーがとても豊富で、河口湖独自の進化を遂げていると言えると思います。
人間、不思議なもので「これで何とかしなければならない」という状況に置かれるといろいろとアイディアが出てくるものです。
今回は、おそらくメインになるであろうというウィードパンチングのためのアイテムを購入。Zパンチというそうですが、これは普通の釣り場でも使えそうな感じ。
この後、ボートでリグって前乗り日は終了。
公式プラクティス
金曜日の公式練習日、湖に浮いてみると思っての他、水温が高い。この時期にしては高い18~19℃ほどあります。そして、濁りが強い。通常のライトリグでディープやってもちゃんとポークルアー見えてるの?と思えてくるレベル。もう少しクリアアップしてくれれば良かったんでしょうけど、まさに「ターン真っ只中です」みたいな感じ。
天気はどんよりしているものの、防寒着が必要な訳でも無く、気温も低くない。
前週に入った放流物のバスを中心に探していきますが、これまた放流場所に行ってみるとウィードだらけ。そりゃ、グラスパッチシューティングしか無いでしょと言った感じで、Zパンチでひたすら撃っていきます。シンカーウェイトは3.5gで初代STUDIOUS 60ULSを使いました。たまに、重くなるアタリがありますが、「こんな感じかぁ」というのに留めておきます。
後は、放流戦で自分がよくやる「動いた放流」(要は移動した放流もの)をスピナーベイトで探すというのをやっていきます。
ほどなくして、放流場所から少し離れたところでタフコンデビル(懐かしいでしょ)でキーパーをゲット。これで276gですから、今回の放流物のポテンシャルはせいぜい1500~2000gと想定しました。それと、「放流場所からそれほど動いてない」というようにも感じましたね。
そうなると、勝ちに繋がるのはネイティブということになりますが、これがまた何とも”掴みどころ”がなく困りました。10mほどのディープやるには早いし、ということで6~8mのハードボトムをひたすらダウンショットでやりますが、全然芳しい反応がありません。
そんなこともあって、やはり放流メインでやるしかないのかというのが初日のプランとなりました。
まさかの初日
結論から言うと、初日はまさかの失格!!
朝のボートランチング(ボートを降ろす作業)で、7:00前に船外機をかけてしまい、失格となりました。河口湖の条例で「朝7時までは航行禁止」となっているため条例に抵触してしまいました。プロとして情けない限りですが、自分の脇の甘さを猛省しております。一体何年河口湖に通ってるんだ?という感じ。
そんな訳で、初日のリザルトには私の名前はありません。ただし、そのまま帰るのもどうかと思いましたので、韓国から来ていた選手団に随行していた向こうのメディアを載せてのカメラ艇をすることになりました。せめて湖の様子も見れるしということで、湖を1周回りましたが、放流場所に極めて近いところしか釣れてないなという感じ。
案の定、初日のウェイインを見ると、リミットメイクした選手は僅か、ネイティブもあまり釣れていないという感じでしたね。「自分が出ていたら釣って来れただろうか?」と思いましたが、どちらかと言えばちゃんと良いグラスパッチを占有できたかどうかのメンタル面の問題だったかもしれませんね。
DAY2
二日目は無事に出場出来ました。
ポイント制ということもあり、上位が無いことはほぼ確定しているので、目立つ方法として残されたのはビッグウェイトを持って帰ってくること。となると、当然ネイティブ狙いのみとなります。
二日目のメインパターンに組んだのは、下記でも紹介するディープクランキングとバイブレーション、スピナーベイト。
二日目は前2日間よりローライトでかなり冷え込んだため、バスが中途半端なレンジに浮くと想定してこの二つをメインにしました。
場所は、小海公園~黒岩ワンド入り口の岬の6~8m、黒岩ワンド入り口東の岬~勝山駐車場寄りのストレッチの6~8m。この2か所をディープクランキング。
バイブレーションとスピナーベイトは大石~戸沢の3~4をバイブレーションで、それより浅いグラスパッチの上をタフコンデビルで引くと行った感じです。
が、ディープクランクをしていて感じたのですが、思ったより深いところまでウィードがあってかなり引きにくい…そう、河口湖はずっと減水していて、今の通常水位に戻ったのがつい最近。という事は、例年よりも深いレンジまでウィードが繁茂しているように感じました。レンジで言えば、7mくらいを境にようやくウィードの無いレンジになる。結局、巻き倒しましたがウィードを貰い過ぎて少し浅いレンジにシフトするハメになりました。
その後、シャローフラットのグラスパッチのアウトサイドをDEXバイブレーションで引きちぎりましたが、何も起きずにタイムアウト。結果、ノーフィッシュとなりました。
タックル
ディープクランキング
この時期に活躍するディープクランキングで主に使うのがこのタックル。
ロッド:Abu Fantasista FC-71MHG-FM MGS
リール:Abu Revo ELITE7(ZPI” NRC923M + ギヤ組み換えで6.4:1)
ライン:Berkley VANISH Revolution 10lbs
ルアー:IK-500/マッドペッパーマグナム/TDハイパークランクXSG
今回は主にIK-500を使いました。高速巻きでも使えるし、8mでもドラッギングと組み合わせれば十分届きます。8~9mを狙う時は、フルキャスト後にボートでドラッギングし、狙いのレンジまで来たらあとはリールでリトリーブします。ちなみに、JB/NBCではドラッギングは50mまでと決まっていますが、これの範囲内で十分可能です。
IK-500とMPMを使ったのは、高速で巻いても疲れにくいというのもあります。昔よく使ったDB-3マグナムなんかはとてもじゃないけど高速で引けない。
ロッドのスタンダード・ファンタジスタのFC-71MHG-FM MGSですが、これはパワーで言えばミディアムヘビーなので、ディープクランクの高速巻きで十二分に対応できます。しかも、グラスなのでちょっとしたキスバイトでも拾ってくれます。番手にある「FM」の2文字は”Fast Moving”の頭文字ですが、文字通りにファストムービングルアーを扱いやすいロッドで、この時期のディープクランキングにはぴったり。長さも7ft1inで十分に飛距離も稼げます。
リールは6.4:1にしました。7.1:1だとディープクランクのパワーに負けてかえって巻くのに疲れますし、高速巻きをしていたとしてもバイト時のショックで指がノブから離れてしまいます。まさに、バニッシュ・レボリューション(フロロカーボンライン)の10ポンドと相まって、ディープクランキングにはバッチリのタックルセッティングだと思います。
バイブレーション
こちらは、霞戦で使ったロッドをそのまま使用。
ロッド:Abu Fantasista FC-65ML MGS
リール:Abu Revo SLC-IB7
ライン:Berkley ナイロンライン(プロト)10lbs
ルアー:Berkley DEX VB60R(各カラー)
大石~戸沢の広大なシャローフラットのグラスパッチのアウトサイドに居る、ネイティブ、もしくは放流のアクティブなヤツを狙いました。
僅かなキスバイトも逃さないようにロッドは霞の時と同じかなり柔らかめのスタンダード・ファンタジスタのFC-65ML。これを超フルキャストで長距離を巻くために使ったラインはナイロンのプロト10ポンド。ナイロンの方が飛距離稼げますから。
リールは今年モデルのSLC-IB7。これでひたすら巻き倒します。
DEXバイブレーションのいいところは、高速巻きしても浮き上がりにくいところ。巻きスピードとキャスト後のカウントダウンである程度任意のレンジを一定に引くことが出来ます。
これで線の釣りを展開していき、アクティブなバスを効率よく探すという作業をしました。
結果として、この2つの釣りで今回は釣ることは出来ませんでしたが、必ずどこかで役立つシーンが出てくる筈です。
まとめ
今回は初日の失格が全てでしたね。自分で台無しにしてしまった。初日出れていればまた違った戦略になっていたはずです。ま、全て自分の責任ですね。
終わってみれば、全体としてローウェイトの試合だったので、「しっかり放流物を釣っておく」試合だったかと思います。本当、秋のネイティブは捕まえにくいってことですね。
さて、これで今年の私が出場できる公式プロトーナメントは全て終了となりました。今年のTOP50戦はリザーバーが3戦続いて、何とかポイントを貯金していきましたが、最終戦で5点、最後のバスプロ選手権ではノーフィッシュと何もいいところ無しの終わり方でしたが、比較的マトモだったのはマスターズの年間15位というところくらいでしょうか。それぞれの試合、シリーズに反省点がありますので、これから時間を掛けてそれらをもう一度見直したいと思います。今年1年間、応援してくださった皆様、スポンサー各社の皆様、本当にありがとうございました!
なお、来年ですが、私はJBマスターズに出場することにしました。もう少し時間を掛けて皆さんの役に立つコンテンツをもっと作っていきたいと考えています。お楽しみに!
オマケ
えー、全国津々浦々をトレイルするプロ戦ですが、今回は河口湖のグルメネタを。
私が河口湖の試合で、毎回たまらなく楽しみにしているのが、ここ、「しなそば けん」の肉炒飯(通称「にくちゃー」)。ラードで熱々パラパラの最強炒飯です。卵が入っていない炒飯ですが、コクもあって、最高。これだけ食べに河口湖来てもイイくらいのもの。
同じく「しなそば けん」の”ニラソバ”。
自家製麵の白い特徴のあるちぢれ麺にタンメン風の塩味のスープ。そこにニラとモヤシと豚バラを熱々に炒めた具がどっさり乗っています。冷えた体にはすごく効きます。これも好き。
その他、河口湖には日帰り温泉施設もいろいろと充実していますので、ゼヒ河口湖に遊びに行ってみてください!