Hornet Stinger Plus HSPS-6111UL+とは

こんにちは!

ピュア・フィッシング・ジャパンさんのECサイト”PFJオンラインショップ”に”B級品”がアップされたので、少し書いてみようかと思います。50%オフなど非常にお買い得な物が多いので、この際に手に入れてみてはどうでしょうか?

B級品とは?

B級品と言っても機能的に問題があるわけではありません

そしてもちろんですが新品です!

輸送中のちょっとした小キズ程度の物です。もちろん、「傷がイヤだ!」という神経質な方は通常品をご購入いただくのが良いかと思いますが、「そんなの気にしないよ」と言う機能重視の方はこの上無いチャンスではないでしょうか。

Hornet Stinger Plus HSPS-6111UL+

そのラインナップの中にホーネットスティンガープラスの用途特化型もあります。

そして、その中に自分の関わったHSPS-6111UL+ “iPM-SP”もありましたので、ちょっと書いてみようかと思います。ま、ちょっとした「苦労話」みたいなもんですが、お付き合いください。

ロッドの長さ

まず、ホーネットシリーズの番手の読み方ですが、

ベイトキャスティングモデル:HSPC

スピニングモデル:HSPS

で始まります。4番目の「C」はキャスティングを表し、「S」はスピニングを表すと思ってもらえれば分かりやすいでしょう。

次に、後ろ側。

1ピース:一番後ろの数字が「1」

2ピース:一番後ろの数字が「2」

その前の2桁、もしくは3桁が「長さ」を表します。

例えば、

6111UL+の場合「611」が長さで6ft11インチ、最後の「1」が継数を表します。

ちなみに、当たり前かもしれませんが、ロッドの長さというのはグリップエンドから先端までを表します。

同じ長さでも”感じる長さ”が違う?!

他のロッドでもそうなのですが、例えば同じ6ft表記のロッドでも、キャスト時に長さが違うと感じることがあります。これはスピニングロッド、ベイトキャスティングロッドどちらも共通ですが、「リールシートの位置」(エンドグリップの長さ)によるものです。

同じ6ftだったとしても、エンドグリップが長ければ、キャスト時に有効に使える長さが短くなります。ただし、”魚を掛けた後に肘にエンドグリップを当てて手首の負担を減らす”、”短い分、ロッドティップの動きが小さいので繊細なアクションが出来る”というメリットもあります。

逆にエンドグリップが短い場合、キャスト時に使える長さが長くなります。なので、”飛距離が出しやすい”、”キャスト時の取り回しが良い”(体にグリップが当たりにくい)などのメリットも多いです。FantasistaのSTUDIOUSで採用されているのがこちらです。

長いULクラスのロッドが少ない

自分がホームとしている池原ダムでは世間のイメージとは違う、クリアウォーターでの繊細な釣りの必要性に迫られるシーンが意外に多いです。

その中でも、池原・七色で生まれたといわれる「ピクピク」や、最近はやりの「ホバスト」などが代表的と言えるでしょう。

そこで使用する物は、ピクピクや虫で言えば「(中空の)ノーシンカー」、ホバストやi字引きの場合「1/96~1/64ozの3インチクラス」と言ったリグの総重量として極めて軽い部類の物です。そして、使用するラインはフロロの2.5~3ポンド(自分はPEはほとんど使いませんが、PEなら0.4~0.6号くらい)という細番手。もちろん、スピニングリールを使います。

そして、それらを遠距離でスポットに届けてやる必要があるためにある程度の長さが必要です。しかし、他社を含めただでさえスピニングの6ft後半クラスのロッドが少なく、更にULクラスとなると…と選択肢が極めて少ないのが当時の状況でした。

相反する要素をどうするのか?

自分がこのロッドを作ることになった時、実はモデルにした竿というのはありませんでした。

数少ない決めていたことは、「超軽量リグをロングキャスト出来る長さ」を確保するために、エンドグリップは短くして、なるべく有効な長さを確保することです。もう一つは、ロッドを立てて使うことが多いため、先重りを防ぐという意味と細かいアクションをつけるために「ソリッドティップにはしない」ということです。

あとは、見た目上の問題化もしれませんが、ロングロッドのスピニングにありがちな太いバットにはしないということかな。

そこで、最初は控えめ(?)な6ft9インチから始めました。これでも、6ftのロッドから比べると23cm近く長いため、相当長く感じますが、その上にエンドグリップを短くしたためさらに長く感じます。

そして、まだこの1stプロトの時点ではロッドアクションが決まってませんでした。「強さ」は「ULよりちょい強めでどれくらいのものになるのだろう?」ということでUL+という表記にはしましたが、この1stはまだレギュラーアクション(ベリーあたりから曲がる感じ)で、正直言うと「投げやすいけど、せっかく飛距離が出て遠くへ飛ばした先のピクピクなどで、ロッドがシェイクを吸収してしまい、繊細なアクションが届かない」という課題がありました。そして、ロングキャストをしているのに、遠くのバスを寄せにくいという矛盾も。

それらをロッド担当にメールで詳しく連絡して、次に出来上がった2ndプロトが届きます。2ndでは長さが同じものの、ロッドアクションがかなりファストアクション(ティップに近いところから曲がる)になりました。

するとどうでしょう。”ダルさ”が無くなって全体的にパリっとした感じになりました。

ピクピクも上手いこと「ビビビ」という微振動が出せるようになりました。(本来、「ピクピク」という釣り方の名前より、「ビビビ」の方がうまく表してるかと思いますが、それだとウケ悪いですよね。笑)

ところがですね、、、今度はベリーまでのパワーがありすぎて、キャストしにくい…そりゃ、自分はプロですから、慣れりゃちゃんとキャスト出来ましたよ。ただねぇ、これじゃウィークエンドアングラーにはただ単に「投げにくいロッド」になっちゃう。。。う~ん、どうしよう?

かなり悩みました。相反する点が多すぎる。世の中、ロッド作ってる人ってすごいなぁって思いましたよ。そりゃ用途が細分化されたトーナメントロッドなんて1年にせいぜい作れて2~3機種くらいだわ。

本当は7ftにしたかった

フラッグシップではないホーネットスティンガープラスシリーズは価格も高くて18000円くらい。正直、いくら用途特化型とは言え、ここまでプロト作り直ししてくれたピュアさんには感謝しかありませんわ。。。

話を戻すと、2ndプロトは「強さ」が目立って、遠くへ正確なキャストがしにくいという課題が残りました。ただし、バット~ベリーの強さで、「遠くで掛けたバスを寄せるパワー」は確保できましたし、遠くで浮かぶ軽量ワームが表層でビビビという超繊細なアクションが出来るようにもなりました。

じゃ、何が使いにくい原因なのかを考えました。一つは、パワーが目立ちすぎて、ロッドティップに軽量リグの重みを”乗せ”にくいということ。これは、エンドグリップの短さを1インチ伸ばすことで解決出来るのはないかと考えました。野球のバット(両手を付けて振る)より剣道の竹刀(両手を離して振る)の方がコントロールしやすいし。更についでにバット側ももう1インチ伸ばしてやれと。それで、バット~ベリーの”張り”も少し緩和されるだろうと。

どうせなら、7ftのULってさらに無いから更にバット側を1インチ伸ばして7ftにしてやろうとも画策しました(笑)

が、TAF製法ではないこのホーネットスティンガープラスだと、ロッドを立てて使うにはちとティップ側が重くなりすぎる。あと、テーパー的に細いバットにならないかもしれない。それから、7ftでスピニングとなるパワーフィネスのロッドでもない限り市場的に売りにくいという営業面の問題。ならば6ft12インチ表記にしてやろうかとも思いました(12インチ=1フィートなので)が、大人しくやめておきました。

結果、6ft11インチの3rdプロトが完成し、送られてきたのです。

そして、この3rdプロトは上記のいくつかあった”相反する課題”を上手く折り合いをつけてクリア、非常に満足の行くものなったのです。

捨てたものもある

このロッドを作るときに、バッサリと切り落とした要素もあります。

それは、、、トゥイッチのようなアクションです。ピクピクに使うような「ビビビ」というアクションは出来るのですが、やはりリールシートから先が長いので、トゥイッチのようなアクションはこのロッドにはシンドイなと。なので、そこはバッサリ切り捨てることにしました。

例えとして、良いのかどうか分かりませんが、お笑い芸人のアキラ100%さんが”横”からのビューはバッサリ捨ててるのと同じですかね。。。何かに特化するということは捨てなアカンものもあると(笑)

捨てたと思ったのに副産物として残る

上で「捨てた」と言っておきながら、こんなこともあります。。。

実は、プロトの段階でDEX森くんと行ったテストで、「このロッドはこういうアクションは苦手なハズなんだよなぁ」と言いながら、ホローベリー(初代)のネイルリグで高速トゥイッチをしてみました。もちろん、動画撮影中だったので「ティップまでが長いので、こうやってリグが暴れすぎちゃう」などと偉そうに解説していたところ、そこに飛び出して来たのが45~50のグッドサイズのバス。そして、それは目論見通り、ベリーまでの強さで激流の中でも無事に寄せてキャッチすることが出来ました。

正直、バスの考えていることなんて、イマイチ人間の考えとは違うところにあるんだなぁと痛感させられましたが、同時に”捨てきれてない”?!

JB入鹿池後半戦はこれに救われた

昨年のJB入鹿池は、初戦を5位、2戦目を優勝で順調な前半戦でしたが、水温が30℃を超えたあたりから自分の中層の釣りではバスの好みのスピード感と合わずにプリプラ含めて非常に苦戦しました。

そして、通常よりもバスの食ってくるレンジが深いこと。ミドストでは遅すぎるし、i字引では浅すぎる。

この矛盾を突き詰めていった結果、ロングリーダー(2mくらい)のライトキャロでした。

が・・・これをキャストしやすいキャロロッドが手持ちにない。

そこで仕方なく、この6111UL+を使ってみたところ、非常にキャストしやすい。。。

そして、このライトキャロを中層で使うことによって、狙ってグッドサイズが釣れましたね。

これにより、JB入鹿池第3戦は7位で乗り切り、次のスポット参戦のチャプター愛知の最終戦も準優勝、JB入鹿池最終戦も準優勝で無事にJB入鹿池初代年間を獲得できたわけです。

いや~、副産物、ありがとう!って感じ。

iPM-SPというニックネーム

奇跡のトゥイッチアクションにも使えるんじゃないかというオマケは付きましたが、コードネームと言うか、ニックネームはあくまでも当初の予定通りになりました。

i=i字引き

P=ピクピク

M=虫

の頭文字を取って「iPM」と名付けられています。どうです?用途的に分かりやすいでしょ?

i字引きには新発売になるホローベリーフィンテールはもちろんのこと、DEXスパイベイト55などのハードベイトも使えます。

ピクピクは名前の通り「ピクピク」しすぎるとバスには強すぎる場合が多いです。特にクリアウォーターになればなるほどビビビくらいのアクションが良かったりしますので、そこはよく行くフィールドに合わせて使ってみてください。もちろん、ポスト~秋口までなどはピクピクのオプション的に「虫パターン」も入ってきますので、対応しています。

「虫パターン」の場合は当然、「ちょうちん」釣りになることが多いですが、提灯にするためのコントロールキャストも可能ですし、引っかけた枝からもすぐに引き剥がせるパワーもありますよ!

まとめ

長々と書いてしまいましたが、オンラインショップでお買い得に手に入れるチャンスだったりします。この際に手に入れてみてはどうでしょう?

品切れの際はゴメンナサイ。ですが、通常にお店で買って戴いても、実売価格ではかなりお手頃だと思います。リザーバーから野池まで年がら年中活躍の場が多いロッドですので、ぜひ使ってみてください!

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