こんにちは!
大阪のフィッシングショーも終わり、とりあえずはひと段落の釣り業界ですが、競技者の皆さんは試合の準備をしている頃だと思います。
「え?そんなに釣りで準備することある?」と思われる方も居るかもしれませんが、釣り道具のメンテナンスから始まり、ボートのメンテナンスやエレキや魚探と言ったシステムの入れ替え、ソフトウェアのアップデートなど毎日夜までやっても時間が足りないくらいです。
その上、オフの間にやっておかないといけない製品テストや評価などいろいろ。昨年までの蓄積されたデータ(私の場合、ノートですが)の確認と評価のし直しなどいろいろとやるべきことが多いので、本当に時間がなかなか足りません。僕でこのレベルなので、TOP50なんかの選手なんかはなおの事だと思います。「忙しいアピールをしてる」などと揶揄されることもありますが、ホントに時間が欲しい。。。その中で、こういったブログやSNSなど(雑誌連載を持ってる方は原稿ですね)の「物書き」も大切な仕事の一つです。
さて、今日は「釣れるワームとは何か?」について私の個人的な意見を書いてみようと思います。
読みたいところをどうぞ
「釣れるワーム」の要素とは?
”バスは何故バイトするのか”
皆さんはハードルアーやソフトルアーの「アクション」というとどういう風に捉えているでしょうか?そのもう一歩手前ですが「ルアーフィッシングはアクションを付ける必要がある」のですが、どうしてでしょう?この辺を考えてみたいと思います。
実は、私もマスターズ上がりたての頃までは、全くと言っていいほどこの手の「ルアーやワームのシェイプの意味」や「アクションとは何か?」をあまり深く考えていませんでした。釣り場でよく聞く「釣れるワーム」や「釣れるルアー」は”単にそれ使えば釣れるよね”程度にしか考えて無かったんです。しかし、ずっと「何か大事な事が抜けている感」がぬぐえないまま過ごしていた感じがします。
そもそも、ルアー(ワームを含む)でバスを釣るって餌釣りとどこか違うハズなんですが、「バスに餌として食わせよう」という意識が自分にもあまりに強くて違和感を感じていました。
そんなこともあり、今から8年くらい前になって、ようやくルアーやワームと向き合うようになり、その存在意義や釣れる理由をよく研究するようになりました。
幸い、私のホームとしている池原ダムや三瀬谷ダムはクリアな時が多いため、バスの反応がよく見えます。バスたちが教えてくれる情報がマッディーなところより圧倒的に多いため、「ナゼ食ったのか?」「ナゼ食わなかったのか?」の考察がしやすいという点でも非常にありがたいフィールドです。
ここでは、まずワームについて書いていきます。
マッチ・ザ・シェイプ?
Berkleyから発売になるパワーシュリンプ3インチです!(Feco登録されてます)
凄い細かいパーツがいっぱい付いていて、”いかにも釣れそう”です。では、これは「エビでしょうか?」と言われると人間からするとエビだと思う人は絶対居ないでしょう。恐らく、バスもこれをエビだと思ってるとはあまり思えません。
では、バスはコレを何だと思って食っているんでしょう???
実は、「わからない」が正解です!
と言ってしまうと元も子もないのですが、何せ、バスになったことも無いので本当に分かりません。ただ、魚類は「近眼が多い」(某大学でグレの眼球を主に研究していた人に教わりました)ということと、「恐らく見たことが無い形の物を食わせなければならない」という現実を考えなければなりません。
バスは何故餌と間違わないのか?
バスは、何故「物」と「餌」を間違わないのでしょうか?
ここでは、”視覚”の部分に絞って書いてみます(他にも要素があるので、ここでは「見た目」の話)
バスはボトムに落ちてる木の枝や石は食いませんよね?(大昔、某ショップの小さい池で飼われていた餌がほとんど与えられてなかったバスに石や枝を投げ込んだら全部食って吐き出してましたが…)
じゃ、何故食わないのでしょう?
答えは「止まっているから」ではないかと考えています。移動もしなけりゃ、その位置で物体の動き続けている部分があるわけでも無い。つまり、全部止まっています。
移動を伴うアクション
「完全に止まっている」とバスはほぼ食わないと仮定すると食わせる要素は「動いてないとダメ」ということになります。
では、「動き」って何でしょう?
ここではワームを例に挙げます。
例えば、Garyの4インチグラブ。これはまさに「移動」のアクションで生きて来るワームの代表格だと思います。
moveしている時に、テールが動き続けます。止めてもテールが水の動きを受けて短時間動き続ける要素があるので、止めても釣れるワームだとは思いますが、基本は「移動させて使う」方が強いと思います。
「アクションを付けてこそルアー釣りだ」と思っている釣り人が多いように思いますが、大半の人が「移動を伴うアクションの仕方」をしているように感じます。ロッドを大きく動かす、リールで巻くなどは移動を伴うアクションになります。
この時はワームが水中で移動することによって動くパーツがある事がこういう釣りの「釣れるワーム」となる条件の一つです。
逆に言えば、「短めのストレートワーム」などはオフセットだと移動させてもそれほど強くない事が多いと思います(もちろん、弱い方が良い時もあります)
その場でのアクション(自発的アクション)
今回のメインテーマはこちらかもしれません。
もう一度思い出してみてください。
パワーシュリンプです。止めていても移動させても動きそうな部品がいっぱい付いています。これは手元に届いて、見た瞬間から「こりゃ釣れるわ」となる訳です。
ここで言う「止めていても」の定義ですが、あくまでも釣り人がロッドの動きもリールで巻くのも止めている時という意味です。
そして、不動の名作”パワーホグ”です。こちらも移動(move)させている時に動いてくれるパーツもありますが、止めた後に勝手に動いてくれるパーツが多いですね。
パワーシュリンプにしてもパワーホグにしても共通して言えるのは、「自発的アクション」が起こりやすい作りになっているという事です。ロッドとリールの動きを釣り人側が止めた後にもワームの一部分が必ずどこか水流を受けて動き続けてくれる。
これが、バスが「餌として食える物なのか、食べ物ではない”物”なのか」を判断しずらくしてくれます。バスは迷って迷って迷いちぎります。先ほど書いたように近眼だったりするので、シェイプを確かめるためか物凄くワームに寄ってじっと見つめます。バスの心情からすると「コイツ、見たことないけど、動き続けてるから生き物なのかもしれない=食える物なのかもしれない」という感じ。最終的には「とりあえず食ってみてるか」という感じで口を使って確かめてみる。
これらのBerkley製品がツミなのは、食ってしまえばバスが大好きな味と臭いで余計に「あー、これは食えるものだ~」と感じてしまうことです。必然的に咥えている時間が増え、アングラーにフッキングするチャンスタイムを増やします。水中映像なんかを見てると、サイトフィッシング以外でバスのバイトをアングラーが感じるのは、バスがバイトしてから意外に時間が経ってからというように見受けられます。なので、この時間が増えるというのは極めて有効です。
要するに、「止めてても食う」という便利なワームこそが「釣れ易いワーム=誰でも使いやすいワーム=楽チンなワーム」ということで、これが一般的に「釣れるワーム」と表現されるようです。もちろん、完全に水が止まっているケースもあるので、そういう場合には「どれくらいの時間で各パーツが完全に静止するか」や「素材の方さ」などを調べておくと”止められる時間”が分かるので、より釣果に繋がります。さらに言えば、ワームと言うのはカラーによって素材の硬さが違うケースも結構ありますので、何色かは持っておいて研究すると良いでしょう。
余談ですが、ラバージグを思いうかべてみてください。何十本という細いラバーが完全に静止するというのはちょっと考えにくいですね。だから、置いておくだけでもバイトのチャンスが増えたりします。
実はちょっとテクが要るストレートワーム
最近のトレンドとして、ライトリグの代表格がダウンショットからネコリグに移りつつあるように感じます。これらも含めてストレートワームについて書いてみようかなと思います。
Berkleyの小型ストレートワームの代表格であるマイクロクローラー。不動の名作です。
これのダウンショットについて考えてみましょう。
フックはオフセット(私はSSフック#3か#2を使います)なので、フックが刺さっている場所まではあまり動きません。そこから先が勝負になりますが、先ほど上で書いた「移動」をさせてもそれほどどこか一部が動くわけでもありません。特に、これの素材は少し張りがあるので、緩い水流ではそれほど動かないんです。
では、どうするのか?
アングラーが自らでもってロッドでアクションを付けてやる必要があります。それも一点でシンカーを止めておきながらワーム自体が揺れるようなアクションです。もちろん、移動を伴うアクションでもダメとは言いませんが、あまり意味が無いように感じます。アングラーが一点でシェイクしていても勝手に僅かずつ移動しますから。
この辺のロッドアクションが実は結構難しいんです。その時のロッドティップからワームの距離(ラインの出ている長さ)なんかによってどれぐらいの度合でどれくらいプルプルしているのか、自分のタックルバランスではどれくらいのシェイクが良いのか?など少し透明な場所でアクションの練習をしてから使う方が絶対釣れます。
そういう点では、この手のストレートワームというのは実は自発的アクション要素の多いワームに比べると釣り人側のテクニックが若干必要に思えます。
最近のトレンドがネコリグに移りつつあるのは、ストレートワームに水の抵抗を受けやすくして、ストレートワーム自体が半自発的に動くからなのではないかと推測しています。
迷わせれば勝ち?!
ルアーフィッシングはハードルアーにしても、ワームにしてもバスが普段食っているものと違うカタチの物を食わせないといけないので、「バスが餌だと思って食っている」ということはほとんど無いのではないかということを念頭に置きましょうということです。
ガイドでも話している事なんですが、せいぜい「生き物かどうか迷っている」レベルくらいでとりあえず口を使っているだけくらいに考えておく方がいいですよという感じです。なので、「どれだけ長時間迷わせられるか?」が勝負の境目になるのではないかと思います。
もちろん、他にもリアクションなんかの要素もありますので、今回は極々一部ですが、「こういう考え方を元に”使いやすい”(釣れやすい)ワームを選んでね」ということです。皆さんも、手持ちのワームと向かい合ってたまには考えてみましょう!
当ガイドではこのような事も話ながらの釣りとなります。今回はほんの一部を書きましたが、皆さんのワームやルアー選びなどの参考にしていただけると幸いです。
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