O2 POWERは効果絶大!

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さて、今日は旧ブログでもたびたび登場していた、O2 POWER(オーツーパワー)について書いてみましょう。

何に使うもの??

MEIHOさんと言えば、バスアングラーにとってはタックルボックスのメーカーさんというイメージでしょう。そして、日曜大工が好きな人はツールケース(工具箱)のイメージ。

ところが、こういったケミカルの取り扱いもあります。

では、これは一体何に使うものなのでしょう???

これはズバリ「水の中の酸素を増やす」ための錠剤です。

そう、要するに水に棲む魚やほかの生き物を生かし続けるための物なので、今日のお話しの対象者はバスで言えばトーナメント競技者、鮎釣り師、アジなど海の魚を生かした状態で使いたい(もしくは、持ち帰りたい)人になります。もちろん私はバスアングラーなので、バス釣りを軸に書きますが、トーナメント競技者に限らず、一般の方でも大会に参加される方にはゼヒ使ってもらいたい製品です。

元々は、アユ釣りの「囮鮎(おとりあゆ)」を生かすために作られたようですが、これが意外に強力です。

スペック

錠剤の性能って何だ?と思われるかもしれませんが、その概要について説明します。

容量:30g

用途:活魚、生き餌の輸送

主成分:過酸化カルシウム・ビタミンMIX

明邦化学さんのサイトには「固形酸素」と書いてあります。

価格:オープン価格

使用目安としては、パッケージに以下のとおり。

・1個(30g)あたりの使用目安。※水温15℃の場合

 アユ(20cm)×10匹/水量15リットル

 モエビ(3cm)×100匹/水量5リットル

 ブラックバス(35cm)×7匹/水量40リットル

 上記を9時間生存させるための目安量です。

なかなか凄くないですか?!

使用方法

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ライブウェルやクーラーボックスなどの水に放り込むだけ!

2等分出来るようにスジが入っているので、水の量によって半分に割って使えます。私は試合では1丸ごと入れて使います。

なお、エアーポンプ(「ブクブク」と呼ばれるもの)や同じくMEIHOさんから発売されているアジカン・サイクロンと併用するとなお完璧!

実際に使用してみて

実は、明邦さんから発売される前(元々の販売元は別のメーカーさんでした)から使用していますが、トーナメントで使用してバスが死んでしまったなんてことはほとんどありません。エラからの出血などの深刻なダメージによる場合は、残念ながらゼロとは言いませんが、それでもほとんど無いと言っていいくらいの回数です。

私の場合、季節は関係無く、ライブウェルを使用する際には必ず使います。

特に、夏場の水温が高い時には、溶存酸素量(水に溶けている酸素の量)が減ります。飽和溶存酸素(その水温での溶ける酸素の上限)はこちらのサイトの飽和溶存酸素量の表をご覧ください。いずれにしても、単純に水温が高ければ水中の酸素の量は少ないと考えてもらって大丈夫かと思います。

また、バスの運動量によってもライブウェル内の溶存酸素は減ります。特にファイト直後は呼吸も激しく、体力の回復にかなりの酸素を要します。それも、ライブウェル内のバスの密度(TOP50戦の場合は5尾)が高くなるとなおさらです。また、ラージに比べてあからさまに運動量の多いスモールマウスバスはなおのこと酸素の消費量が多いと思います。試合中のライブウェルの中でスモールの様子がおかしくなるのは、他のダメージ要因がある場合もありますが、ほとんどは”酸欠”でしょう。

で、実際に使ってどうか?と言われればそりゃもう効果抜群ですわ。おかげで、ウェイイン時にバスが元気過ぎてなかなか重量が出ずに困るくらいです。私の場合は、1尾目が釣れてからライブウェルにこの錠剤を入れます。

ちなみに、いつもライブウェルの外部循環は少な目です。せっかく酸素が増えた水がオーバーフローで外へ流出するのももったいないですから。もちろん、たまに水を動かしてやるために外部循環はやりますよ。

注意点は?

これの注意点は主に二つ。

保存方法と魚のケアです。

まずは、保存方法。

説明には40℃以下で湿気のない涼しい場所に保管してくださいとあります。

私の場合は普段はタッパーに入れて冷蔵庫で保存しています。後述しますが、空気中の水蒸気と反応してしまう場合があるので、少なくとも湿気は大敵です。パッケージから開封した後は速やかに使用してください。

なお、一度水に入れて使った状態からの再使用や保存はできません。

次に魚のケア。

いくらこれがちゃんと水中の酸素を増やしてくれるとは言え、魚がダメージを負ってしまっている場合は、まずはそれのケアが先決です。(製品とは関係ない注意点ですが)

エラからの出血の場合は、まずは綺麗な水で患部を洗浄すること。魚の血液は水と反応してすぐに凝固(固まる)性質があるので、これでかなり出血が抑えられるようになります。その際、消毒するという意味ではその場の水を使うのではなく、ミネラルウォーターなど無菌に近い水で止血しましょう。

さらに、暴れて出血してしまうのを防ぐためにはフィッシュプロテクトバッグを使用し、バスを落ち着かせます。バスは視界が暗くなるとある程度落ち着くので、この黒いフィッシュプロテクトバッグはかなり有効です。

あとは、O2 POWERを入れたライブウェルに入れるだけ。これで、一体何尾のバスが元気に蘇生したか…まぁ、それでもライブウェルの蓋を開けるまではドキドキですが。

これに夏場の高水温時は氷(必ず密閉された袋で凍らせてあるもの。私の場合はジップロックに入れた氷を作ってあります。)で水温を下げるというのも効果的です。水温を下げると、飽和溶存酸素量が増えるだけでなく、バス自体の代謝を下げる効果もあります。代謝を下げてしまえば消費する酸素の量も減りますし、消費する栄養分も減ります。要するに体力の消耗が抑えられます。このO2 POWERは消耗した栄養分を補給するために、ちゃんとビタミン剤も入っていますので、そちらもエラから直接血液内に摂り込まれますますので、効果的でしょう。

ちょっと化学的な説明

マニアックですね。。。というか偉そうに言っても実は高校1年の時にすでに化学の授業を捨てていた私。そして、大学で物理をやっていくと、結局化学も同じだったという…こんな私が偉そうに説明するのもなんですが、一応どういう原理なんでしょうか?という感じで聞き流してくださいな。

化学式は

2CaO2+2H2O→2Ca(OH)2+O2

となります。要するに過酸化カルシウム(過酸化石灰)の錠剤と水が反応して、酸素(式の最後のO2)が出来ますよと。

「錠剤に密閉された酸素が溶け出す」というイメージよりは「水と反応して酸素が出来る」というイメージの方がいいかと思います。なお、それだけに錠剤から出る泡というのは、非常に細かいものです。ほぼ見えないに等しいですが。よく「泡出ないけど大丈夫?」と言われますが、ご安心ください。ちゃんと酸素出来てますので。

実は、ブクブクって水中にほとんど酸素を溶かす効果は無いので、実際は水を循環させるものくらいに思っていた方がよいかも。

使用後のO2 POWERが白かったりするのは、酸素と一緒に出来た炭酸カルシウムかと思われます。

どこで売ってるの?

ほとんどの釣具屋さんにあります。しかし、意外に見つけられないと言われます。

エアーポンプのコーナーに売ってるお店が多いですね。中には、鮎コーナーに置いてあるところや、冷凍や活き餌コーナーに置いてあるお店もあります。店員さんに聞いてもらえば、大丈夫。

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この青と白のパッケージはよく目立つので、すぐわかるハズ!

価格はオープン価格ですが、だいたい消費税抜きで500円ほどです。

1回しか使えないのに500円って高くない?と思われるかもしれませんが、バスに元気に帰ってもらうには500円は安いのではないでしょうか?

まとめ

来週は、桧原湖でTOP50第4戦です。そのスモールマウス戦を前にO2 POWERについて書いてみました。試合は「バスを探す技術」、「バスを釣る技術」を主に問われますが、「バスを活かす技術(元気に帰ってもらう技術)」も問われています。なので、本当にヤバい時には生かすためには何でもやります。上記の方法に加えてエラにレッドブルをかけてカフェインが血中に摂り込まれることを期待するとかもやってかなり危険な状態から蘇生したこともあります。おかげで、そのバスは元気に帰っていきました!

さらには、眼科で処方される緑内障の点眼薬「ジピベフリン塩酸塩」は加水分解されて強心剤のエピネフリン(アドレナリン)になりますので、それをエラに投入してみようかなどと考えたこともありました。実際にはお医者さんに処方してもらわないといけないので、緑内障ではない自分には無理だなぁと断念してみたり(そもそも使用量がわからんし…)

いずれにしても、釣りをする以上、お魚さんには元気でおってほしい訳ですよ。バスさんにはクソ狭いライブウェル入ってもらわないといけないので、せめてお水くらいは快適に過ごしてもらいたいなと。

今日はちょっとマニアックな話でしたが、皆さんもぜひ使ってみてくださいね!

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