先日のTOP50第4戦(桧原湖)にメインで使用したタックルたちです。キーパー30cmになってからなかなかキーパーサイズを釣るのが難しい桧原湖ですが、30cmオーバーともなると、ラインは細くしたいけど引きが強いという矛盾にうまく対応しなければなりません。
そこで重要となるのがタックルバランスになってきます。
直前プラまではロッドの数も多かったのですが、実際に試合で使用したのは主に下記の4本になりました。かなり搾られている厳選されたタックルたちなので、参考にしてみてください。
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戦略
桧原湖の試合はすでに6回目の経験となりますが、過去の試合運びからして、下記のエリア分類を行っています。
・北部(糠塚島裏)、神社前、本村
・早稲沢フラット
・馬の首バンク(東西両岸)
・こたかもり
・月島南北
・雄子沢(京カ森)
この中で、さらに細かシチュエーション別に分けると、下記の通り。
・糠塚島裏のスタンプ群、グラス
・長井川、大川インレット(メインチャネル、カバー)
・馬の首のガレ、赤土、岬、ワンド、立木、カバー
・月島南北のハンプ、ハンプの間
・京カ森の沖フラット(僅かに盛りあがるショボいハンプ)、ハードボトム、岬
という感じ。
その他の要素としては、
・水の良し悪し
・風
・光量
これらを組み合わせて行くのですが、残念ながら今回は水位が低かったためにシャローのバスがほとんど居らず(たまに見かけるのですが、試合で使えるほどの数ではない)、またカバーにもバスが寄っていなかったため、必然的にディープを抱えるフラットかバンクかハンプ群に絞られていきました。あとはどう釣るか?ですが、下記のタックルと一緒に書いていきます。
タックル
さて、本日のメインテーマ。Feco戦だということもあり、全員それほど使うワーム類には変わりは無いので(優勝した五十嵐プロはかなり変わったことをしてましたが)、ちょっとしたスピード感というかリズム感、アクションがバイトの数を多くするための要素のようです。
しかしながら、元々シブい今年の桧原湖。私の場合は、その少ないバイトをいかに感じるか?また、取り逃しをしないためにはどうするか?というところに重点を置きました。
ダウンショット
ロッド:Abu Fantasista STUDIOUS FSS-60XULS MGS
ライン:Berkley VANISH Revolution 2lbs
シンカー:2.7g/3.5g
ワーム:Berkley ベビーサーディン/アングルワーム、他ストレート系3インチ
私のスモール戦では一番メインのタックルです。バンク、ハンプ、フラットで使います。
アクションはシェイクを基準としています。このシェイクは私独自のリズムのようなので、上手く文章でお伝えすることが出来ませんが、昨年1回だけ行った野尻湖のガイドではゲストさんも上手くマスターしてくれたので、また来年にでも野尻湖か桧原湖ガイドに来てもらえたらご理解していただけると思います。
他にはズル引き、ステイ(放置)といったアクションになります。
今年の桧原湖はワカサギのサイズがとにかく小さいのが多かったので、場所にもよりますが、ベイトが小さいな感じたところではベビーサーディンをよく使いました。また、ターンが進んだエリアやローライト時はアングルワームのジュンバグを選択しました。
あとは、ラインメンディングにとにかく気を付け、細かいアタリでも感じるようにしました。で、この60XULSについてよく「シンカー重すぎない?」と聞かれることがあるのですが、これはイメージとしてはイカのティップランに近いものがあります。もちろん、ロッド自体でバイトを感じることもありますが、今回はショートバイト多発で、それよりもロッドティップの僅かな曲がり方の変化を視覚的に捉えてフッキングするという感覚でした。
これは、10月終わりから始まる池原や七色の「ミドスト」にもつながることが言えますが、とにかくこのSTUDIOUS FSS-60XULSはそう言った”激しくバイトしてこないとき”には最高のロッドと言えると思います。
初日に馬の首バンク、京ヶ森の岬で1本ずつキャッチ、二日目は月島のバンクで1本、3日目は馬の首で1本、月島北のバンクで1本キャッチしています。
ライトキャロ
ロッド:Abu Fantasista STUDIOUS FSNS-62LS MGS
ライン:Berkley VANISH Revolution 3.5lbs
シンカー:2.5g
ワーム:Gary Eco 4インチグラブ
フック:RYUGI HOBBIT #1
今回は珍しくライトキャロも多用しました。実はスモール戦でごく一般的なライトキャロですが、私の場合ほとんど使いません。ダウンショッターなんです。
ナゼかというと、ピンを撃ってないルーズな感じが嫌いというか、”狙って釣った感”の無さというかその辺の感覚的なものです。
しかし、このタックルだけ使います。元々は、まだ桧原湖のキーパーサイズが25cmだった時代にキッカーを獲るために使ったタックルでしたが、今回は思いのほか大活躍。
使った場所は馬の首のバンクと、京ヶ森の岬。この二つのみです。
通常、ライトキャロの場合は同じSTUDIOUSのFSNS-67LS MGSや初代67LS、次に登場するREGISATA 67UL MGSを使うのが一般的だと思われていますが、ナゼあえて62Lを使ったのか?
それは、オフセットでもワームを裂きながらスモールマウスの硬い口に確実にフッキングするためでした。プリプラから他のロッドで試していき、結局これに行き着いたというわけです。
また、かなりラインもかなり太目。これもオフセットでフッキングした後に無理やり寄せてくるためにこうなりました。このライトキャロは6~11mくらいを引いてくるので、どうしてもボートとバイトの位置の距離が長いです。したがって、バスに主導権を取られて深い場所の何かに巻かれるリスクを減らす、という理由でフッキング後は強引にゴリ巻きになります。
ちなみに、このタックルだけリールがちょっと特殊に見えるかと思います。
なんで敢えて前モデルのRevo LT???と思うでしょう。コレ、最大ドラグ釣力が2000番にも関わらず、7kgもあります。ここに注目しました。ゴリ巻きするにはこれしかない!ということで、ドラグもスモールとしては珍しくキンキンに絞めてあります。なので、ドラグは全く出ません(笑)
ラインに関しても、キャロの場合はリーダーの部分はほぼボトムを這っていることになるので、太さはあまり気にしてません。それよりは切れないことを念頭においてこの太さを選択しています。ひょっとすると、もっと太くても良かったかもしれませんが、試合中にこれでバラシやラインブレイクが1度も無かったので、これで正解だったのだと思います。
初日に馬の首のバンクで2本、京ヶ森で1本、二日目は馬の首で2本、三日目は馬の首で1本キャッチしていますが、いずれも700~900gの良いサイズでした。
アクションはズル引きの他に、ハードなトゥイッチというかジャーク的な物も入れますが、これもリズムが独特でなんとも言葉には言い表せませんがこれもどこかでお見せできればなと思います。
ネコリグ
ロッド:Abu Fantasista STUDIOUS FSNS-67SULS MGS
ライン:Berkley VANISH Revolution Light Game 1.75lbs
シンカー:1/64oz,1/32oz
ワーム:3インチストレート
フック:RYUGI FogShot #8
主にハンプ群やディープフラット(4~6m)で使用しました。今回は残念ながら私には月島北、月島南、西側、雄子沢のハンプ群ではキーパーを釣ることが出来ませんでしたが、プリプラや直前プラではもっとも釣れていたタックルです。特にまだレンジが4mほどで釣れていたプリプラ時は早稲沢フラットで800ほどのが連発しました。
ロッドはかなり極端なロッドですよね。でも、これくらいの超軽量リグのキャストにはFantasistaシリーズの中では最も向いていると思います。他のメーカーにもこんなロッドはほとんど無いんじゃないかぁ?と思えるロッドですね。スローでベナベナ。そして長さも6ft7inとちょっと長い。ちゃんとキャストが出来ます。
今回、これが良かった点としては、「バスが食ってから違和感がない」ということじゃないかと思います。特に、TOP50戦前には桧原湖も試合が連続しており、どうしてもバスがスプーキーな環境にありました。
そこで、リグを軽くしたい、でも距離を投げたい、それでいてボトムまで可能な限り早く落としたいというありとあらゆる矛盾めいたものをクリアしたのがこのタックルとい分けです。
ラインも極力細くしました。細い方が操作性も上がり、かつボトムまで早く落ちるうえ、キャストの飛距離も出ます。
ところで、このバニッシュ・レボリューション・ライトゲームってあまりご存じで無い方もいるかと思いますが、アジ・メバルなんかのライトゲーム専用フロロラインです。ラインナップとしては1.25~1.75ポンドがあります。
アクション的にはズル引きかステイのみ。
これが上手く功を奏して、早稲沢フラットや月島南北のハンプ群では上手くバスが拾えました。ちなみに、ラインが細い分、後に書くギミックをリールに施しています。
本番はレンジが下がったため、たまに使うことはありましたが、30cmを超える物は釣れませんでした。
キャロネコ
ロッド:Abu Fantasista REGISTA FRNS-67UL MGS
ライン:Berkley VANISH Revolution 2.5lbs
シンカー:2.5g、ネコ側1/32oz
フック:RYUGI FogShot #8
ワーム:3インチストレート
スタンダードなリグを好む私にしては、ちょっと変わったリグ。
フラットでのレンジがプリプラに比べて本番は少し深くなったため、上記のネコリグをディープ対応にする目的の元、これになりました。
実際には早稲沢沖7~11m(直前プラ)、月島南北のハンプの間の7~10m。
アクションは普通のネコリグと同じくズル引きかステイ。本当にただ、それだけです。
ロッドは、まさにコレがぴったりでした。軽量キャロで距離も出る67UL、そしてチューブラーなのでアタリやボトムの感触がロッドから金属的に伝わってきます。マス針なので、ULでもフッキングできるし、ちょうど良いバランスだったのではないかなと思います。
ラインは、バイト地点とボートとの距離が遠いので、若干強めの2.5ポンド。リーダーも同じです。
これもリールへのギミックが加えられています。
スピニングリールのチューニング
試合で使用したのは、主に上記の4つのリグでした。実際にウェイインするバスをもたらしてくれたのはその中でも、ダウンショットとキャロでしたが、ライトラインでのスモールマウスだっただけに、スピニングリールのドラグ調整には特にプラから気を付けました。
そのドラグ調整を行う上でさらにちょっとお手軽なチューニングがありますので、ご紹介します。
・Revo STUDIOUS
もともと、ドラグ釣力が1kg強と意図的に弱くしてあるのが特徴のこのリール、スモール戦には欠かせないのですが、それでもさらに追い込んでドラグクリックを外してあります。
パーツナンバーで言えば、リンク先の8、9、10、11となります。写真の右にビスを外した後が見えるかと思いますが、その4つを外すことによって、ドラグが出るときの「チリチリ」とした音が無くなります。
このドラグクリッカーは「ドラグ出てますよ」と耳で分かるように付いているのですが、実は1回1回の”チリ”という音の瞬間に負荷が掛かります。その一瞬だけラインが出にくい状態を作ってしまうことになります。
これが案外命取りだったりすることもありますので、外しました。おかげで、ドラグが効いてスプールからラインが出るときに無音で、”ヌルヌル”した感覚になりますが、これが実にスムーズ。
これでスモール専用機に大変身。
・Revo MGX2500SH
これも同じくドラグを無音チューニング。
ただし、こちらはちょっとばかりコツが要ります。
まず、スプールを外して、裏を見ます。
これ(パーツナンバー14番)を先細プライヤーなどで外します。
スプールの上側から押すと、ドラグのユニット(パーツナンバー7~13)が抜けますので、外します。この際に、ワッシャーのはまっている順番は変えないこと、ワッシャー類に塗布されているドラググリスを触らないこと(ドラググリスはドラグの命です)に注意してください。
スプールクリック(パーツナンバー11番)を外します。
後は元通り組めばOK。
これでRevo MGXも無音ドラグ化出来ます。
瞬間的な負荷を減らし、なおかつドラグ音がしないので人が寄ってこないという副産物的な効果もありますよ!
これらのギミックは、十分な注意のもと、作業を行ってください。作業に自信の無い方はされない方が無難かと思います。今回ご紹介したのは、あくまで「試合ではここまで道具も追い込んでやる」世界だということをご紹介するためです。作業に関しては当方では責任を負えません。
また、修理依頼時には元のパーツを装着しての修理依頼になりますので、必ず外したパーツもしっかり保管しておく必要があります。
くれぐれもご注意を!
まとめ
長々と書きましたが、今回は本当にタックルバランスにも気を遣う試合となりました。
皆さん、それぞれリズムや釣り方違うとは思いますが、参考になりそうなところは使ってみてください。